農園紹介

 もともと、中村農園の柚子畑は父と母が二人でやっていた畑でした。出荷先は農協だけ。
高齢化が進む三好市で生活しながら、良いものに恵まれているのに担い手が減少していく、
そんな状況を見つめながら、漠然と畑に入ったのがきっかけでした。

農園の中で一番見晴らしが良いところにベンチが置いてあって、何となく座ってみたとき、
遠くに連なる四国の山々や空に浮かぶ柚子、癒しの空間が広がっていました。
一休みの時に二人で見ていた光景です。
そういえば普通は柚子畑からこんな眺めは望めないな、ここの柚子はこの風景を見て大きくなるんだ、と思いました。
今まで当たり前に見てきたものが、ここにしかないものだと気付いた瞬間でした。

この風景と、ここだからできる柚子作りを「天空の徳島柚子」に詰め込んで、いろんな人に味わって欲しい。
そんな想いが中村農園の柚子には詰まっています。

中村農園はこんなところ

農園があるのは徳島県三好市、四国の中央部に位置しています。
車1台がやっと通れる狭い道を上ると、山の斜面にへばりつくようにして柚子畑はあります。
急峻な地形が特徴で、農園がある徳島県「にし阿波地域」では傾斜地での独特な農耕技術が
世界農業遺産として認定されています。
柚子畑からは、愛媛県から注ぐ伊予川を眼下に遠く山の連なりを望むことができます。
四国の山々から吹き込む澄んだ空気や大自然の恩恵を受けて、安全安心で美味しい柚子を育てています。

中村農園 天空の徳島柚子成分表

ゆず(木頭6)

ゆず自体の魅力

「桃栗3年、柿8年、ゆずの大馬鹿18年」と言われるように、柚子は実を付けるまでに、とても長い時間と手間がかかります。桃や柿のように丸かじりできる果物ではないのに、収穫時には実を守るための大きなトゲ…。なかなかの頑固さを感じる柚子ですが、他にはない深くさわやかな香り、果肉から皮まで使える汎用性は古くから日本人の生活と親密な関係にあります。
その香りは海外でも注目されており、有名レストランをはじめ、日本の「YUZU」の知名度は非常に高くなっています。

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プラス成分1

秘境の山と空

深い谷底まで転げ落ちそうな急峻な畑。空に浮かぶ柚子は、ここでしか作れません。
中村農園のある三好市は「日本三大秘境」「妖怪の村」「世界農業遺産」など、日本の原風景が残る怪しい魅力に満ち溢れています。
その秘境の空から一番近くで、四国の山々を眺めながら柚子を育てています。
東向き斜面に広がる柚子畑は、周囲にさえぎるものはなく、良好な日当たりと、夜間・日中の温度差が大きい山の気候が、香りの強い果汁たっぷりの柚子玉を実らせます。

急傾斜の急峻な地形にある畑は、収穫や運搬作業などとても厳しい環境です。そのかわり水はけも十分で柚子の生育には適地と言えます。
豊かな自然の力を借りながら有機肥料をたっぷり施し、質の良い柚子玉を育てています。
太陽の日差しをいっぱいに浴びて、のびのびと育った「天空の徳島柚子」の爽やかな酸味と香りをお楽しみください。

プラス成分2

緑肥による土づくり

農園では、柚子の下草に「ナギナタガヤ」を植えて草生栽培に取り組んでいます。
ナギナタガヤはイネ科の1年草で、秋に発芽して翌春には草丈が50センチほどに成長し穂が出てきます。5月になると徐々に枯れて倒れはじめ、畑は一面に藁を敷いたような景色に変わります。
下草を生やして地表面を管理する方法は、2005年(平成17年)に父が導入したものです。
草がある事によって雨などの衝撃を緩和し、土壌の浸食や養分の流出を防いでくれます。
また、夏場の地温の上昇や乾燥を抑え、木へのストレスを和らげて根の生育を保護します。そして、最大の効果は土づくりです。ナギナタガヤからの有機物生産量は10アール当り約900キロといわれており、枯れたナギナタガヤは有機物の供給源になるとともに、草の根が枯れて土に穴が開き通気性が改善し、有機養分や水分がゆっくりと吸収されて土づくりにも重要な役割を果たします。
傾斜畑のナギナタガヤは、滑りやすく、穂が足に絡みついたりして作業は大変ですが、美味しい柚子を育てるための頼もしい存在です。

プラス成分3

有機栽培に取り組んでいます

安全安心な柚子をお届けするため、除草剤や化学肥料などは使わず柚子の下草には枯れると自然に倒れて地面を覆い雑草を防いでくれるナギナタガヤの草生栽培を行っています。やがてこの下草が緑肥となり豊かな土をつくります。そのため、ナギナタガヤには害虫の天敵となるテントウムシや蜂などの強い味方がたくさん集まって来ます。
よく見ると、テントウムシがたくさん遊び回っているのがわかります。農薬を散布してしまうと、この天敵までいなくなってしまうので、農園では有機栽培で認められている天然物由来の農薬だけを最低限に抑えることで、害虫の天敵や土の微生物など、自然の力を借りて柚子の木を育てる環境を作っています。
そんな安全で安心な場所や食べ物は鳥たちも良く知っています。
農園の柚子の木には、毎年、ハトやヒヨドリ、百舌鳥などの鳥たちが巣を作って雛を育てています。最近特に、その光景を目にする機会が増えました。3月の剪定作業の時期が子育ての真っ最中です。鳥たちを刺激しないように枝の剪定作業も慎重に行わなければなりません。そして、花が咲く頃までにはこの畑から周りの山々へ巣立って行きます。収穫が終わって12月を過ぎると、木に取り残した柚子が完熟して、今度は、ヒヨドリなどが柚子をついばみに帰って来ます。鳥がタネを運んで自生の柚子が畑のあちこちから小さな芽を覗かせます。
有機肥料をたっぷり施し豊かな自然の中で育った柚子は、皮も実も種もまるごと使うことができます。
農園では、安心・安全を目に見える形で知ってもらうために、2020年10月に「有機JAS認証」を取得しました。

うちのゆずをいろんな人に食べてもらいたい

その想いで、柚子だけでなく年齢問わず口にしてもらえるよう新しい商品開発にも取り組んでいます。

輸出への取り組み

中村農園では2020年から「EU向けカンキツ生産園地」の登録を行なっています。
植物防疫所による栽培地検査及び輸出検査を経て、これまでにイギリス、フランスに向けて輸出の実績があります。